2016年 7月 4日
平成28年6月20日付けで、事務連絡「視力補正用及び非視力補正用コンタクトレンズの添付文書及び表示に関する自主基準の改定について」が厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課より発出されました。
今般、一般社団法人日本コンタクトレンズ協会より、下記のとおり、視力補正用及び非視力補正用コンタクトレンズの添付文書及び表示に関する自主基準が改定され周知されました。 視力補正用及び非視力補正用コンタクトレンズの添付文書及び表示に関する自主基準(改定第10版
【改定第10版】のQ&Aを下記にお知らせいたします。
視力補正用及び非視力補正用コンタクトレンズの添付文書及び表示に関する自主基準 【改定第10版】のQ&Aについて
一般社団法人 日本コンタクトレンズ協会
安全対策委員会
今般、視力補正用及び非視力補正用コンタクトレンズの添付文書及び表示に関する自主基準(以下、自主基準)【改定第10版】のQ&Aを、以下の通り作成しました。
添付文書等作成の際の参考とされますようよろしくお願いいたします。
Q1:【第9版】では、「コンタクトレンズの使用者とは、コンタクトレンズを装用する患者である。」 としていましたが、【改定第10版】では、「コンタクトレンズの装用者及び医師等の専門的知識を有する医療従事者をいい」となっています。なぜ使用者の定義を変更したのでしょうか。
A1:コンタクトレンズは眼科医の診断、処方、使用方法に関する指導等を経て販売がなされるという流通実態を鑑みると、コンタクトレンズの添付文書等の情報提供文書は、装用者及び眼科医等の専門知識を有する医療従事者それぞれに対して分かりやすく適切な表現で記載されるべき旨の指摘が行政よりなされ、これに従い【改定第10版】において、自主基準での記載内容をより明確にしたものです。
Q2:自主基準【改定第10版】「1.前文 1.1添付文書の定義及び本自主基準の対象」にある「使用者ごとの情報提供文書」とは、何をさすのでしょうか。
A2:前述のとおり、コンタクトレンズの使用者とは、コンタクトレンズ装用者と医療従事者です。コンタクトレンズ装用者に対する情報提供文書は、製品に添付する「添付文書」及び「装用者向け取扱説明書」です。医療従事者に対する情報提供文書については、「1.5その他の情報提供文書 ・医家向け情報提供文書(取扱説明書等)」で説明をしていますので、そちらをご覧ください。
Q3:改定された自主基準【改定第10版】に対応するための添付文書の改訂は、いつまでに実施すればよいですか。
A3:自主基準の上位文書である医薬食品局長通知「医療機器の添付文書の記載要領の改正について」(平成26年10月2日付薬食発1002第8号)に対応する添付文書の改訂は平成29年11月25日までにできるだけ速やかに行う必要があります。
添付文書の改訂がまだ行われていない場合は、【改定第10版】に基づき平成29年11月25日までに改訂を行い、すでに【第9 版】に基づき改訂が終わっている場合は、次回の改訂時に【改定第10 版】に基づき改訂してください。
Q4:自主基準において「単回使用レンズ」と「1日使い捨てレンズ」が使用されています。
これらの用語の定義、使い分けを説明してほしい。
A4:再使用できないレンズが単回使用レンズです。そのうち1日使い捨てレンズとは終日装用で1日で使い捨てるレンズです。その他、単回使用レンズには連続装用後に使い捨てるレンズなどがあります。
Q5:【警告】「破損等の不具合のあるレンズは絶対に使用しないこと」の項の記載を以下のように従前の記載から変更した理由を教えてほしい。
従前の記載:「万が一、破損等の不具合があるレンズを装用してしまったり、レンズ装用中に破損した場合は、自覚症状の有無にかかわらず、速やかに眼科医の検査を受ける。」
変更後の記載:「装用中にレンズの破損等による自覚症状が発生し、自覚症状が改善しない場合は眼科を受診してください。」
A5:自覚症状がないような場合まで眼科を受診するよう記載することは現実的でないと考えました。また、テンプレート<装用時の症状と対処方法>において、「レンズにキズや破損がある場合、対処方法として、新しいレンズに交換する。」としています。
Q6:レンズの構成モノマーについて、薬食機発0330 第1 号「コンタクトレンズの承認基準に関する質疑応答集(Q&A)について」 A4 に主要構成モノマーについて原材料ポリマーを構成する原材料モノマー(架橋剤を含む)と記載があります。添付文書の【形状・構造及び原理等】1.レンズの組成に記載する 構成モノマーは、この通りモノマー+架橋剤を記載する必要がありますか?それともモノマーのみの記載で差支えないでしょうか。
A6:架橋剤は原材料モノマーに含まれますので、架橋剤も記載してください。
Q7:「妊婦、産婦、授乳婦及び小児への適用」において「出産された方」とは「出産直後の方」ということでよろしいでしょうか。文言を変更してもよろしいでしょうか。
A7:出産後、比較的早期という意味です。「妊婦、産婦、授乳婦及び小児への適用」の項目名の変更はできませんが、文章中の文言は変更して差し支えありません。
Q8:【使用上の注意】4.その他の注意の項目の記載順の変更、項目の追加は可能ですか。
A8:安全対策課長通知「医療機器の使用上の注意の記載要領について」(平成26 年10 月2 日付薬食発1002 第5 号)では、「内容からみて重要と考えられる事項については記載順序として前の方に配列すること。」としています。これに従い、各社の判断で記載順を変更しても差し支えありません。また、必要な項目があれば追加してください。
Q9:【臨床成績】及び【主要文献及び文献請求先】は装用者向け添付文書の記載項目として必要でしょうか。
A9:PMDAに自主基準を確認いただいた際、装用者向け添付文書だから臨床成績の記載はいらないということではありませんでした。臨床試験を実施して承認された製品では通知に従い臨床成績を記載してください。
Q10:【使用方法等】において「レンズのはめ方」となっています。これを「レンズのつけ方」として問題ないですか。
A10:「レンズのつけ方」で問題ありません。各社において使用している用語を用いてください。他の用語についても各社で使用している用語を用いて問題ありません。
Q11:環状着色部の着色剤について、承認書に記載されている範囲で、着色面の位置及び着色部の状態を記載することとなっていますが、該当する記載が承認申請書にない場合、どのように対応したらよいでしょうか。
A11:承認申請書の形状、構造及び原理欄に着色剤の位置がわかる図表等が記載されている場合、製造方法欄に環状着色の工程、レンズの構造及び着色剤の含有状態に関する記載がある場合、これらより合理的に推定できる範囲にて環状着色剤の着色面の位置及び着色部の状態を記載します。形状、構造及び原理欄、製造方法欄のいずれにも着色部位に関する記載がない場合、添付文書に着色面の位置及び着色部の状態を記載するためには、これらについて一部変更承認申請を実施し、その内容に基づき添付文書に記載することになります。申請については「コンタクトレンズの承認申請に関する質疑応答集(Q&A)について」(平成27年12月18日付け薬生機発1218第1号厚生労働省大事官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)通知)をご参照ください。
なお、「自主基準【改定第10版】3.テンプレート」に記載した添付文書テンプレートはカラーコンタクトレンズの添付文書ではありませんので着色面の位置及び着色部の状態は記載しておりません。
Q12:医家向け情報提供文書(取扱説明書等)にはどのような内容を記載すればよいですか。
A12:添付文書の内容に加えてコンタクトレンズの処方及び使用法に関する指導等を行う医師等の医療従事者に必要な情報として、製品固有の情報であるレンズデザイン、製作範囲、トライアルレンズの規格、製品仕様、トライアルレンズの保守・点検に係る事項及び製品共通の情報である処方手順、レンズ着脱方法、定期検査項目、患者指導について記載します。
Q13:添付文書は製造販売品目ごとに作成することになっています。医家向け情報提供文書(取扱説明書等)も製造販売品目ごとに作成する必要がありますか。
A13:取扱説明書などの情報提供文書は製造販売品目ごとに作成する必要はありません。1日使い捨てレンズ、2週間交換レンズなど使用方法別あるいは球面、トーリック、マルチフォーカルなどレンズ種類別等複数の品目をまとめて作成しても問題ありません。