2016年 4月 28日
2012年から2013年頃より、Emergo Groupを含め医療機器業界関係団体は、ASEAN諸国による医療機器登録システムの整合化への取り組みを取り上げてきました。
現在、いくつかの国では大きな前進があったものの、ASEAN医療機器指令と呼ばれるAMDDの実現は途上にあります。
提案されているAMDD合意によれば、製品登録の要求、品質マネジメントシステム要求、そしてその他関連する事項について、加盟10か国は2015年までにそれらを統一する(もしくはすくなくともきわめて類似したものにする)ということが合意されていました。加盟国とはつまり、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムです。
AMDDは欧州の現在の仕組み(一か国での販売許可が下りている製品は他国でも販売が許可される)と同じものを導入しようとするものではありませんが、AMDDにおいても、製造業者が一か国で登録を行うことで、他の加盟国での販売のための手続きも容易になることが目指されています。
2015年、加盟10か国の政府は、AMDD実現のための署名を行っています。しかしながら、AMDDに基づく政策や運用において前進しているのは、一部の国(特にシンガポール、マレーシア)に限られています。
今後の見通し
ASEAN担当者は、2015年11月に実施された第20回アジア整合化ワーキングパーティ(AHWP)の会合でAMDD運用状況について現状を報告しました。そこでASEAN諸国は、AMDDを地域レベルの規制枠組みとして確立するためにはまだ大きな課題がいくつか存在していることを認識していると報告しています。
このうち最も重要なのは、加盟10か国がAMDDを国内法化するプロセスです。シンガポールとマレーシアについては、この点において大きな前進を見せていますが、その他の国については追いついていないのが現状です。
2016年、ASEAN諸国は、シンガポール当局HSAの主導の下、AMDDの運用に関するワーキングプランの作成に注力することになっています。ワーキングプランには、共通品目表や市販後監視ガイドライン、製品分類ガイダンス等の作成が含まれる予定です。シンガポール当局は既にこれらの課題に取り組むためのプロセスに着手しているとしています。
AMDDが実現する目途について、ASEAN諸国は明確にはしていません。Emergo Groupは引き続きAMDDの実現までのプロセスについて現地での調査を行い、報告をしていく予定です。
*リンク先は英語のページになります。
To read the related article in English, visit Emergo by UL website:
"Whatever Happened to the ASEAN Medical Device Directive?".