2016年 3月 18日
ブラジルの医療機器規制当局は、医用電気機器に求められるINMETRO認証の要求事項を国際規格IEC60601の第3版により近づけるための改正を行いました。今次改正により、既に認証を受けている企業も今後対応が必要になります。
発表された新しい規制(Ordinance 54/2016)によれば、新しいINMETRO認証要件にIEC60601第3版で特に厳しく求められているリスク管理が反映された内容になっています。INMETRO認証が要求されている機器の製造業者にとっては、新しい要件のもとに認証を得るためにこれまで以上に厳しいリスク管理手順の審査を受けることになります。
さらに外国製造業者には、製品がブラジルに輸入販売される前に、INMETROマークが製品に添付されていることが義務付けられることになります。
Ordinance 54/2016は、INMETRO認証の申請者に対し、リスクマネジメントのサマリーやポルトガル語のユーザーマニュアルなど追加的な書類の作成を要求しています。
INMETRO認証の最初の審査では、申請者は試験レポートの提出が必要でしたが、Ordinance 54/2016においてもこの点は変更がありません。ただし、新規制では、「大型機器」に対して新しい試験レポートの要求が追加されています。つまり、Ordinance 54/2016で定義される「大型機器」に入る医療機器については、INMETRO認証契約の受理日から4年以内に発行された試験レポートでないと受け入れられない場合があるとされています。
ブラジルの認証機関もしくは資格を与えられた機関が、リスクマネジメントファイル、品質マネジメントシステム、そして、生産手順についてINMETRO認証のための監査を行います。さらに、INMETRO認証の申請者が選任するブラジル現地のライセンスホルダー(BRH)もこの監査対象となります。
また、INMETRO認証発行から15か月以内に、維持監査が製造業者の施設に対して実施されます。維持監査は毎年実施されます。
現在、旧規制(Ordinance 350/2010)に基づきINEMTRO認証を取得し維持している製造業者は、次回の認証更新時、あるいは、今後認証の修正が必要になった際にOrdinance 54/2016への適合が求められます。
Ordinance 54/2016の発表から6か月以降、すべての新しいINEMTRO認証について新しい要件への適合が要求されます。Ordinance 54/2016は2016年2月1日に発表されたため、同規制の発効は2016年8月1日ということになります。
*リンク先は英語のページになります。
To read the related article in English, visit Emergo by UL website:
"Brazilian INMETRO Risk Management, Auditing Requirements Updated to Reflect IEC 60601 Changes".