2016年 2月 24日

欧州医療機器ノーティファイドボディ連盟(Team NB)が最近発表した調査報告によると、2011年から2014年に新しく発行されたCE認証書の件数は、2010年に比べて減少していることがわかりました。

2010年はPIPスキャンダルが世界に衝撃を与え、認証機関に対する監視が強まるきっかけとなった年ではありますが、認証書の発行数の減少との関連性ははっきりしていません。

欧州で活動する25社のノーティファイドボディに対して行われた同調査によれば、CE認証書の新規発行件数は2012年に3,120件、2013年に5,061件、2014年には4,535件と推移しており、ここ数年は6,993件を発行した2010年の実績を上回ることはありませんでした。同調査では減少傾向の理由については触れられていません。

一方で、同期間に欧州にて取り消されたCE認証書の件数は急増しています。2010年にはたった244件であったのに対し、2012年には915件、2014年には1,058件と急増しています。

なぜこのような劇的な取り消し件数の増加が起こったのでしょうか?同調査報告では、CE認証取り消しの理由(所有者からの依頼による取り消し、違反、監査を拒否したため、企業の吸収・合併、重大な不適合があったためなど)については挙げていますが、どの理由がどのような頻度で起こっているかについては言及していません。

Emergo by UL のシニアコンサルタントでありオランダ規制当局(IGZ)の元査察官であるRonald Boumansによれば、近年の認証取り消しの増加には、医療機器製造施設に対しノーティファイドボディが実施する非通知監査における新しい要件と、製品の技術文書(テクニカルファイル/デザインドシエ)に対する審査の厳格化という二つの理由が主に考えられると述べています。

さらに、CE認証の新規発行数の減少と認証取り消しの増加は、欧州市場への高リスク医療機器の参入が減少しているという傾向を示すかもしれません。

Emergo by UL の臨床・レギュラトリーコンサルタントであるJaap Lauferによれば、申請者である製造業者らは、審査の厳格化を予想しており、自身のデータを改善できるまで申請を控えている可能性があると話しています。この傾向が、欧州市場への革新的な医療機器や高リスクの医療機器の導入を遅らせたり減少させたりするかどうかは今後の動きを注視する必要があるとしています。

さらに同調査は、CE認証を持つ製造業者が、欧州域内のみならず域外にも多いことを明らかにしています。同調査に参加した25社のノーティファイドボディは、2014年に31,513社のクライアントを有し、その33%が欧州に所在している一方で、67%は欧州域外に所在していることがわかりました。

このようなデータは、外国の製造業者にとって欧州医療機器市場がいかに魅力的であるかを物語っていますが、ノーティファイドボディにはより厳格な監査・審査の義務を課せられており、法改正も進む中、今後CE認証を持つ製造業者の域内外の割合がどう変化していくか興味深いところだと思われます。

*リンク先は英語のページになります。

To read the related article in English, visit Emergo by UL website:
"Team NB Survey Shows Fewer CE Mark Certifications, More Withdrawals since 2010".

作者

  • Emergo Marketing (not verified)

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