2018年 3月 6日

欧州から関係者(ステークホルダー)へのBrexit(英国離脱)に関する通知

2017年1月に英国のメイ首相によると、英国離脱の交渉について「打撃が無いことは、悪い打撃よりも良いことだ」と述べました。英国離脱の交渉として、欧州と英国の間の将来の関係にも及んでおり、これらの言及は現在まさに打撃となっています。ブリュッセルの交渉人はこの「打撃の無い」概念について、水をテストしているようです。

2018年1月10日に欧州委員会は、医療機器市場参加者を含むEconomic operatorsに対する英国離脱の結果に関するステークホルダーへの通知を発表しました。この通知は全てのEconomic operators(製造業者、欧州代理人、輸入業者、及び販売業者)が影響を受ける可能性があると言及しています。この通知は、相互認証協定が至っていない、起こりそうもない最悪のケースのシナリオについても認識する必要があります。

英国離脱及び欧州代理人(AR)

欧州を拠点とする企業、又は欧州代理人(AR)を設置している場合に限り、製造業者は欧州市場にて機器を販売出来ます。もし英国が欧州から去る場合、英国の製造業者は、外国の製造業者のように、欧州域内に欧州代理人を選任する必要があります。つまり、英国は「第三国」となります。

英国市場で製品を販売する英国を拠点としない製造業者及び販売代理店、及び英国を拠点とする製造業者及び販売代理店に対する、英国での必要要件は何かについて推測するしかありません。医療機器及びIVDに対する英国離脱のインパクトに焦点を当てますが、前述の通知の付属書に言及されている欧州の規制又は指令に含まれる全ての機器は英国離脱の結果による影響を受けます。

英国離脱、輸入業者、及び販売代理店

輸入業者は欧州市場において第三国の機器を置く企業として定義されているため、英国を拠点とする企業は欧州を第三国の輸入業者として使用することが出来なくなります。販売代理店にとっては、この結果は恐らく予想していない結果となるでしょう。もし流通網が変わらない場合、英国を拠点とする製造業者又は輸入業者から、欧州市場で機器を販売する欧州を拠点とする販売代理店は輸入業者とみなされます。医療機器規制(MDR)の適用を完全にしなくても、製造物責任指令(85/374/EEC)により輸入業者への責任が与えられるため、この変化は既に影響があります。

英国離脱及び製造業者- そして認証!

前述した通り、英国を拠点とする製造業者は外国製造業者のように欧州代理人の選任が必要となります。また、欧州代理人/輸入業者との流通網も作らなければなりません。

しかしながら、欧州又はその他の国の世界中における全ての製造業者は別の問題の影響を受ける可能性があります。欧州を拠点とするノーティファイドボディのみにより、欧州規制に基づいたCE認証書を発行することが出来ます。これが意味することは、英国を拠点とするノーティファイドボディにより発行された全ての認証書は2019年3月29日以降は無効となります。この日以降、製造業者は英国のノーティファイドボディを使用して、CE認証書を有効とする機器を欧州市場に置くことは出来ません。その結果、ノーティファイドボディの指定解除又は範囲縮小が比較出来ます。

潜在的な影響は何か?

英国の自己の孤立は、欧州単一市場のあらゆる面で感じられるでしょう。流通網は英国を拠点とするEconomic Operatorsから下流にかけて影響を受けます。これは英国を拠点とする企業にとって問題となりますが、欧州を拠点とする団体にとっては機会となりそうです。恐らく欧州の患者の機器利用の可能性に関して悪影響は及ぼさないでしょう。より小さな英国市場にて同じことが言えるかについては、明確ではありません。

より大きな影響としては、早期の認証の有効期限切れが含まれます。もし何もしなければ、英国を拠点とするノーティファイドボディを頼る多くの製造業者は突然孤立することとなります。これは高い確率で起こりそうにもありません。例えば、BSIは既にオランダにノーティファイドボディとしての指定を申請していると発表しました。その他の英国を拠点とするノーティファイドボディは似たようなシナリオに取り掛かっている可能性はあります。

従いまして、欧州連合における医療機器業界への影響は制限されるように見えますが、しかるべき措置は取らなければなりません。最も可能性が高い実際の犠牲者は英国の患者です。彼らは英国市場に現在のように容易に到達出来ない製造業者の見通しに直面するでしょう。英国を拠点とするいかなる製造業者は、欧州市場で機器を販売するために追加費用を追うことになり、このことは製品の価格に反映するでしょう。英国の強硬派のBrexiteersは打撃が無い限り、英国において潜在的な悲惨な結果による遮断の可能性又は、医療技術の供給の深刻な削減について理解することを願いましょう。

*リンク先は英語のページになります。

To read the related article in English, visit Emergo by UL website:
"Brexit: The Hard Reality of “No Deal” for the Medical Device Industry".

作者

  • Emergo Marketing (not verified)

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