2018年 11月 12日

このニュースのポイント:

  • 2018年に、ボーダーラインと分類に関するマニュアルの2度目の更新が行われました。
  • 5つの新たな事例の追加により、医療機器の定義と分類規則をどのように理解すべきかというテーマに有用な例証を提供します。
  • MDRに関しては重要な相違点がある可能性があります。

2018年10月30日に、欧州委員会はボーダーラインと分類マニュアルの最新版を発表しました。 この文書では、医療機器とIVDのステータス、およびそれらのリスク分類の確立に関するガイダンスを提供します。 現在のバージョン1.20は、2018年4月にリリースされたバージョン1.19に代わるものです。

最新版のマニュアルに、合計6つの新しい項目が追加されました。:

ボーダーライン - 医療目的

  1. ダニを寄せ付けないマットレスカバー:マットレスカバーはアレルギーを患っている患者の治療計画の一部となることがありますが、寝具の下で使用するカバーは、患者に直接影響を及ぼすわけではなく、ダニに作用します。 したがって、この製品は医療機器と見なすべきではありません。 Emergoのコメント: これは、医療機器の定義がどのように適用されるべきかを示している有用な事例です。
  2. ボディマッサージや性交を目的とした潤滑剤。膣の乾燥を軽減するために使用することができる潤滑剤は、医療機器であると考慮する必要があります。 意図されたとおりに機能するよう、コンドームと共に使用されることを製造業者が特に意図した潤滑剤も同様です。 ただし、ボディマッサージや性交を刺激することだけを目的としている場合は、医療機器としてみなされません。

分類

  1. 試作人口股関節ヘッドまたはステム。 最終的な埋込みを行う前に人工器官の正確なサイズを決定するために使われる、試作人工股関節のヘッドまたはステム。 これらの製品は、外科的処置(切断、穴あけ、切り込み、引っ掻き、掻き取り、締め付け、引き込み、切り取り、または同様の処置)の一部として使用されていないため、「再使用可能な外科用器具」とは見なされません。 付属書IX、第1章、第1.3項を参照して下さい。 したがって、規則6が適用されます: クラスlla。

ソフトウェアおよびモバイルアプリケーション

  1. 基礎体温に基づいて受胎を促進することを目的とした製品。 この製品は体温と月経周期に関する情報を使用して排卵を予測し、受胎を促進します。 受胎を防ぐために使用することを意図していません。 したがって、これは能動機器と見なされ、規則12が適用されます: クラスI。
  2. 受胎を促進することを意図し、基礎体温に基づいて避妊を可能にすることを意図した製品。 これは、上述の機器とほぼ同じ使用目的です。 ただし、この製品は妊娠防止用にも使用されることを意図しています。 したがって、規則14が適用され、これはクラスIIbの機器であると見なされるべきです。
  3. 患者が入力したデータを使用して、受胎および避妊を目的としたスタンドアロンのソフトウェアアプリケーション。 この機器は上述の機器と同じ医学的主張を有しますが、この機器はユーザが通常の体温計で測定された体温を含む全てのデータを手動で入力することに依拠しています。 したがって、この機器についても、規則14が適用されます: クラスllb。

MDR: 類似点と相違点

医療機器規制(MDR)の適用日までわずか18か月強を前に、これらの例が新たな法律の下でどのような結果となるかを確認することも興味深いです。

  1. ダニを寄せ付けないマットレスカバー:MDRでは違いはありません。 よって、医療機器ではありません。
  2. ボディマッサージや性交を目的とした潤滑剤:MDRでは違いはありません。 よって、「医療」クレームは、医療機器となります。
  3. 試作人口股関節のヘッドまたはステム:MDRでは違いはないため、規則6が適用されます。したがって、 クラスlla。
  4. 基礎体温に基づいて受胎を促進することを目的とした製品:MDRでは、分類が変わる可能性があります。 規則11は「ソフトウェア」に関するものですが、その使用を医療機器としてのソフトウェアに明示的に制限していません。 その規則の理解が正しい場合、ソフトウェアを組み込んでいるすべての機器も規則11に従って分類される必要があります。 このような機器の場合、最悪のケースでは、このソフトウェアのエラーによって妊娠しないという可能性があるため、クラスIIaになります。 これはユーザの健康状態が深刻に悪化したわけではありません。 規則11が適用されない場合、規則13が適用されます。したがって、 クラスI。
  5. 基礎体温に基づいて受胎を促進するまたは避妊を可能にすることを意図した製品:ここでも、問題は規則11が適用されるかどうかです。 適用される場合、倫理的な問題があります。 望まない妊娠はどのように決定されるべきでしょうか? これは「人の健康状態の不可逆的な悪化」ですか、それとも「人の健康状態の深刻な悪化」ですか? これにより、クラスlllとクラスllbの間に違いが生じます。 これは明確ではなく、追加のガイダンスが必要です。 規則11が適用されない場合は、規則15が適用されます。したがって、 クラスllb。
  6. 患者が入力したデータを使用する、受胎および避妊を目的としたスタンドアロンのソフトウェアアプリケーション。 この機器では、上記と同じ問題が適用されます。 分類規則の理解に応じて、クラスIIIまたはクラスIIBとなります。

上記の問題は、現在のボーダーラインと分類に関するマニュアルのいくつかのケースがMDRに使用できることを示しています。 しかし、これは常に細心の注意を払って行われるべきです。 違いがあり、特にIVDについては分類規則が大幅に変更されました。

Emergo by ULが提供する欧州医療機器およびIVD規制追加情報: