2018年 8月 27日
このニュースのポイント
一部のノーティファイドボディ(NB)は、まもなく欧州医療機器規則2017/745(MDR)の審査機関として指名されます。しかし、医療機器指令93/42/EEC(MDD)や能動埋込型医療機器指令90/385/EEC(AIMDD)と、欧州医療機器規則(MDR)の審査をどのように同時に行うのかはまだ明らかになっていません。
エマーゴはいくつかの大手ノーティファイドボディに連絡を取り、以下のような理解を得ました。ノーティファイドボディがMDR審査機関の指名を受けるスケジュールによっては、2019年第2四半期以降、AIMDDやMDDの認証を受けるのは次第に困難になるでしょう。先日、エマーゴは大手ノーティファイドボディ2社が発行した文書を受領しました。そのうちの1つは、MDDとAIMDDでの審査申請期限を正式に通知するものでした。クラスIIIの新機器でコンサルティングを必要とする機器(補助薬、動物組織、等)は2019年1月、クラスI滅菌/測定機器の新規申請は2019年8月が期限とされていました。通常の認証サイクルの一部である更新監査は、2020年1月以降は行うことはできません。これはつまり、MDD、AIMDDの認証は2019年末で無効になるということになります。
もうひとつのノーティファイドボディからの文書では、より厳しい期限が定められていました。CEマーキング認証の正式申請書類は2019年1月までに提出しなければならず、全ての書式と審査文書は2019年3月31日までに送付しなければならないというものでした。もちろん、どちらのノーティファイドボディも但し書きを付けており、2019年初頭にMDR審査機関としての指定を受けることを条件としています。他のノーティファイドボディではまた違った期日を設定しているかもしれませんが、エマーゴでは、大手ノーティファイドボディではそれほど大きな差異はないものとみています。
こうした動きは、事業者が移行や規制遵守の戦略を立てるための情報となります。また、MDD、AIMDDでの認証を受けるための時間はあまり残されておらず、まもなくMDRでの認証を受けるしかなくなるということを、明確に示しています。他のノーティファイドボディがこれらの期限にどう対応する予定なのかも、関心事項のひとつです。エマーゴは、円滑な移行のために、事業者が自社の使用するノーティファイドボディと綿密な計画を立てることを推奨します。
上記1通目の文書では、AIMDDやMDDに関する情報も含まれており、事業者にMDRに関する予定を示すよう指示していました。クラスI複数回使用手術器具の製造業者のMDR審査を受け付けるノーティファイドボディが十分な数だけ存在することを期待します。この製造業者は、これまでにノーティファイドボディとの経験がない場合があり、2020年5月に審査待ちの列の最後尾につくことになる可能性があります。